悲しみはもう 溶かしたけれど


恋をしている人を見ていると、自分もしあわせな気分になる。不思議だ。


今日は久しぶりに外に出た。
思ったより暑くなかったけど、電車に乗り遅れそうになって全速力で自転車を漕いだからなんとか乗り込んだときにはもう汗だくだった。息切れ+汗まみれではさすがに座ることができず、ドア付近にずっと立っていた。生理1日目だったのも災いして、貧血状態だったので少しの間、肩で息をして手すりに掴まって電車のゆれに耐えていた。きもちわるかった。途中で電車を降りようと何回も思ったけど、せっかく頑張って乗れたのだから、と言い聞かせて外を眺めていた。見慣れた景色。3月にはもう見ることができないんだなあ、とぼんやりと考えていた。降りる頃には大分体調も良くなっていて、電車の中ではしゃいでいる子供を横目で見ながら、電車を降りた。風が冷たくて気持ちがいい。陸橋を渡って改札を出る。昼時だからかあまり人がいない。自転車置き場まで歩いていると声をかけられた。同じクラスの友達だった。保育所から一緒の腐れ縁。夏休み中は全然会っていなかったせいか、お互いに少し余所余所しかった。一言二言交わすといつもどおりに戻ったが。今日のわたしの予定は、写真の追加注文のリストを先生に届ける。夏休み前に知り合った後輩に借りたものを返す。図書館で課題。この3つ。友達は体育祭の応援練習。まだ時間があるから、と友達が言うからそれに付き合ってお店に入ってご飯を買って、一緒に学校に向かった。道中いろんな話をした。久しく会っていなかったからか話題は尽きなかった。進路のこと、恋の話がほとんどで、友達は就職先がもう決まったらしい。(今はそこでバイトをしているそうだ)私のことを聞かれたので話した。進学先はやっぱり県外にするよ、とかなんとか。そしたらなぜだか知らないけど寂しがってた。(話の流れでだと思うけど)こっち帰ってこないん?とかあっちでお嫁にもらわれるんや!とかわーわー話してた。


恋の話になって、最近別れたけどまた新しい人ができたとか、友達の惚気話を聞いていた。(惚気話は全然苦じゃない)(むしろ好きだ)恋人のことを話している友達はとてもうれしそうだった。わたしもうれしくなった。お店にいたとき、夏休みなにしてた?って聞かれてなにしてたんやろーねと苦笑いしたらあーこれ?とにやにやしてきた。違うよって言ったらまたまたーって顔をされた。この話題になったのは初めてじゃなくて、話す度決まってこんなやり取りをするのだ。最後はわたしが笑ってごまかす。人の恋の話を聞くのは好きだが、人に話をするのはどうも気が進まない。恋をしている自分を、あまり知られたくない。


学校について先生の用事を済ませた。まだ時間がある。図書室に行った。わたしは課題を、友達は料理の本を見ていた。友達が本をぱらぱらとめくりながら、弁当食べたかなあとぽつりつぶやいた。話を聞くと、会社勤めの恋人さんにはじめて、お弁当とつくってあげたらしい。ページをめくる手を止めて携帯を開いて時間を見て、一度閉じてまた開いて、という作業を繰り返していた。ソワソワと落ち着きがなく、あーとかうーとか言いながら携帯をいじっていた。少し不安がまじっていたけど、やっぱりしあわせそうだった。友達は本を戻して、もう時間だから行くね、と図書室を出て行った。


少しの間図書室で課題をしていた。午後1時半を回っていた。学校に長居するつもりはなかったのできりのいいところでやめて、後輩のいる部室へ向かった。途中、さっきとは別の友達に会って、その子もわたしと同じところへ行くつもりだったらしく(別の用事で)一緒に行くことにした。部室の前について、ノックをした。ドアを開けると中で後輩たちはトランプをしていた。(いつものことだ)(ちなみに大貧民をしていた)わたしは借りてたものを返して、友達は用事で部室にいる友達を迎えにきたらしく、でもまだゲームの決着がついていないから、その子の隣で待っていた。わたしの用事は済んだものの、なんだか出て行きにくくて、わたしも勝手に待つことにした。革命!と声が上がっているのを横目に見ながらそういえば○○がわたしに会いたがっていたよーとかなんとか話していた。しばらくしてゲームは終わったらしく、わたしたちはお邪魔しましたーといって部室を後にした。その後2人と別れて、わたしは学校を出た。自転車を漕ぎながらそういえば後輩の眼鏡が変わっていたことを思い出した。言えばよかったな、と少し後悔。あとでメールでも送ろうかなあと思ったが、いまだに送っていない。それに向こうはなんだかメールが苦手そうでなかなか送れないのだ。(かく言うわたしもメールは苦手だ)


一人悶々と考えていたらいつの間にか図書館についていた。
夏の図書館は天国だと思う。冷房が効いてる部屋で自分の好きな本を閉館時間までずっと読んでいられるのだ。しかし今日は課題をやりに来たので、あまり本に目を向けず(気が変わってしまわないように)カウンターで利用手続きをして学習室へ向かった。この図書館の学習室を利用したことがなかったので、どんなものかと少しどきどきしながら部屋に入った。(4階まで行くのに階段を使ったからかもしれないが)思ったより狭かった。でもそのほうが落ち着く。自分の席がわからずうろうろしていると周りの人に不審な目で見られた。恥ずかしくなってもういいや適当に座ろうと一番後ろの列の角の席についたら偶然にもそこがわたしの探していた番号席だった。少し運命を感じた。しばらく集中して課題をした。ふ、と手を止めて横を向くとちょうどわたしの反対側に同じクラスの男子がいてびっくりした。声をかけようかと思ったが、学習室ということで当然静かだ。うるさくしては悪いと思いあきらめた。今日のノルマ分の課題を終わらせて学習室を出て、カウンターで席札を返して(ありがとうございました、といった声がでかかったのかそこでも目を向けられた)図書館を後にした。今日の用事はすべて済んだのでそのまま電車に乗って帰った。そして今に至る。



今日思ったのは、やっぱり自分は人に会わないとだめになる、ということだった。
夏休みに入ってほとんど家に引き篭もっていたから、少し気がおかしくなっていたかもしれない。
これから学校がはじまるまで、図書館通いでもしようかなと思う。
そしたら残りの課題も早く終わることだろう。(家では集中できない性質なのだ)


冒頭に戻るが、友達の話を聞いていると、恋をしたいなと思った。
たぶん、恋の一歩手前、みたいなのがあることはうすうす感じている。いくつかあって、どれがそうなるのかは自分でもわからない。
恋は人を輝かせる。素敵だ。うん。


この手の日記は久しぶりすぎて少し長くなってしまった。でもなんだか懐かしい。楽しくも思える。気ままに書きたいことを書いてこうと思う。